恐怖の廃校 ~11~
美佐は1人逃げ続けた。その後ろを物言わぬ男性が浮遊しながら追ってくる。
涙でグショグショの顔のまま下へと階段を駆け下りていった。
あと三段という所で足がすべり一気に一番下まで滑り落ちた。痛みで涙が出てきたが今はそんなことにかまっている場合じゃない。たったままの姿で追ってくる霊から逃げる方が先。とにかくこの建物から出たかった。
「はぁ、はぁ。」
聞こえてくるのは自分の息だけ・・・。
そう思っていたら何処からか雨が振り出した音が聞こえてきた。
ここに来るまで雨が降る気配もなかった。
それなのに今は雨の音が徐々に大きくなってきている。
他のみんなが帰ってしまう前に自分もここから逃げ出したかった。
走り続けていると目の前に知った顔が見えてきた。
「和彦、絵梨。良かった。いた。」
美佐は額に汗をかき髪をべっとりと頬につけたみっともない姿で二人の前に走っていった。その姿を見た二人は笑った。
「おいおい、すっげー顔じゃん。やる気満々ってか?けどお化けが出てきちゃまずいだろ?」
「だよね。その顔でビックリさせてくれたらみんな驚くって。」
「な、何言ってるのよ。そんな事言ってる場合じゃないって。出たのよ。霊が。」
「はぁ~、そりゃいるだろ?うわさではみんな言ってる。」
「ううん、そうじゃない、そうじゃないの。出る場所は一ヶ所だけじゃないの!」
「へ~?じゃ何処に出るってんだ?」
「・・しろ。」
「?」
「後ろだってば!」
和彦と絵梨は美佐が言った方を見て固まった。
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