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恐怖の廃校  ~10~

賢治と美佐の2人が見たものは春花が見たものだった。

その男性のあまりの姿に2人の顔は真っ青になり、美佐はガクガク震え腰を抜かしてしまった。賢治はもうその場に立っていられなくなりながらも一度は美佐の腕を取り逃げようとしたが、美佐は恐怖で全く動けないと分かると彼女を置いて逃げ出してしまった。

「ち、ちょっと。賢治・・・ま、まって、よ。置いてかないで!」

美佐の言葉を無視して賢治はその場から走って逃げ出した。

美佐はたった一人この霊のいる場所に置き去りにされたのだ。

腰が抜けてどうしても立つ事が出来ず、恐怖で涙が溢れた。ただ脅かすだけのはずがどうしてこうなってしまったのか分からない。逃げたくても逃げられず徐々に近づいてくるその霊に恐怖で胸の鼓動が早くなっていた。

今更ながら自分を置いて逃げ出した賢治を許せなかった。

「ね・・・ねえ。お願い。来ないで!――― お願い。」

涙と恐怖で顔はゆがんでいた。でも、今はもう誰もいない。自分と霊以外は。それでもようやく立ち上がって逃げられそうだと気付くと霊とは反対方向に逃げ出した。すると霊は美佐についてくる。浮遊しながらついてくるので足音がない分よけいに恐怖が湧いてくる。だから後ろを振り向く事なんて出来なかった。振り向いた瞬間に目の前にその男性の顔を見たら気絶しそうで怖かった。

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